助成金で織り機を新調。さをり織りの制作で工賃アップへ

横浜市緑区にあるNPO法人みどり福祉ホーム。JR横浜線十日市場駅から徒歩7分のところにあり、昭和60年から30年以上、この地域で障がい者の福祉のために活動しています。木下財団の助成金で織り機3台を購入し、今後、工賃につながる収益増に挑みます。

みどり福祉ホームの方針は、障害の種別を問わない、障がい者の活動拠点となる、地域交流を促進する。みどり福祉ホームには20~30代のさまざまな障害を持った方がいます。にじグループ、ゆめグループに分かれており、それぞれの障害の特性に合わせてグループ毎に活動しています。市から受注した封入作業やシール貼りなどの軽作業、地域の美化活動、さをりという織り機を使った織り作業等をしています。

今回、助成金でさをりの織り機3台を購入しました。今後は織物づくりに力を入れ、その販売の利益によって利用者さんのボーナス(工賃)アップを目指します。織り作業をするのはゆめグループの3名とにじグループの1名です。作品を拝見させていただきました。赤や青、紫などさまざまな色が混ざった大判のストール大の反物から、お弁当バッグ、携帯ケース、iPadケース、ストール等の作品が作られています。

「利用者さんが反物を織ります。横糸の配色は利用者さんのセンスに任せており、個性豊かでステキな反物が織られています。細かい作業が必要となる小物作りはスタッフが担当しています」と生活介護主任の伊東さん。そうして作られた作品を年に一回のみどり福祉ホーム祭りで展示し販売します。もちろん、その売上が工賃になります。

「今までは、スタッフの技術力や人手不足、多くの時間をさをり織りに割けられなかったことから一年に反物一本という生産ペースでした。でも今年からさをり織りを収益の柱にするという方針を決めてから織機を新しく3台新調し、定期的にさをりの先生を招きスタッフが講習を受け技術力を習得し、利用者さんの指導にあたるスタッフの体制を整えました。おかげで平成29年は反物の数が6~7本に増えました。みどり福祉ホーム祭りに向け1年かけて20点ほど作品づくりをします。緑区の広報誌に紹介されたときは、それを見たお客さまがホームに足を運んで買ってくれたこともありました。利用者さんの喜びにつながっています」と語る伊東さん。「さをり織りを含めさまざまな作業を経験することで利用者さんは自信を持ったり意識が変わったりします。そういった利用者さんの新しい一面を発見し意欲を引き出していきたい」

さをり織りの継続的な制作活動、利用者さんの作業に対する意欲の向上、それが工賃アップにつながる。プラスの連鎖に向けてみどり福祉ホームは活動しています。